PICASO(文理統合型高大接続探究授業)を含む大学・企業連携  

■ 大学との共創

本校では、本学の奈良女子大学をはじめとした様々な大学の専門家との共創により、生徒の探究力を伸ばす教育実践を行なっています。

①文理統合型高大接続探究授業(PICASO)の実践【奈良女子大学】

大学教員と附属中等教育学校教員が共同して、探究カリキュラムの開発を行っています。

概要はこちら

■目的:現代日本の喫緊の課題であり文部科学省も推進している教育改革(高等教育と大学入試、および中等教育の一体的な改革)に資する高大接続のモデルを本学の中期目標に沿って開発し、対外的に発信することにより、附属学校をもつ本学としてのより一層の教育的・社会的責任を果たす。
■方法の概要:附属中等教育学校5年・6年生を対象として,大学教員と附属中等教育学校教員が協働して開発したカリキュラムに基づき、剥落しない学力を育成する2年間の高大接続コースを設ける。このコースを選択した女子生徒を,本プログラム独自の「探究のアウトプット」(仮称)やその他の成果物や学業成績等を総合的に評価するポートフォリオ入試により選考し、奈良女子大学への高大接続入学につなげる。早すぎる文理選択の固定化を緩和し、文理統合的視点の獲得を可能にするカリキュラムによる中等教育と、それを受けた大学における高等教育を通じて、広い視野を持ちつつ高度な専門性を身につけた人材育成プログラムのモデルを発信する。

■研究発表

②高校生と大学生による共同型研究【京都大学理学部】

生徒による活動報告動画は以下をご覧ください。

サイエンス研究会生物班の3名が、自分たちの研究内容「Dr.マンボウの真実」をプレゼンテーションし、京都大学共同研究事業に選ばれました。2020年度から活動しています。京都大学の1回生と月に1回、オンラインミーティングを開き、関連論文の調査や実験方針の検討、それに関わる役割分担など、大学生と一緒にどのように研究を進めていくか、話し合いながら進めています。このミーティングには京都大学教授もオブザーバーとして参加してくださっており、話題提供をいただいています。写真:マンボウの粘液の成分を抽出し、2種類の菌類、3種類の細菌類に対する抗菌作用を調べる実験を繰り返しています。大量の培地を作成し、一度に複数の実験を行います。

 

③国際サイエンスキャンプ「NARA SAKURA Science Camp」の実践【奈良女子大学】

JSTのさくらサイエンスプラン事業の採択に伴い、毎年9月にアジア6カ国の生徒による協働型課題解決ワークショップを奈良女子大学にて実践しています。大学の先生方の専門的なアドバイスを受けながら国内外の生徒が課題解決に取り組んでいます。


④石黒浩教授が開催する未来思考学会への参加

石黒浩教授(大阪大学)が設立した未来思考学会の活動である議論の場「我塾」において、他大学および他校の高校生と一緒に様々なテーマについて議論を行なっています。この我塾では、「感情とは何か?(感情の仕組みをロジック化するには?)」など、答えが簡単に導き出せない問いについて世代や専門分野の異なる方々との議論を行っています。

【外部リンク】
未来思考学会公式HP

■ 企業との共創

本校では、サイエンス研究会をはじめとする生徒の自主性に基づいた研究活動に対して、 企業での技術者・開発者との情報交換会を定期的に実施しています。また、自身の研究内容を企業にPRし、研究資材や研究費の支援を獲得しています。

①ゆめちからプロジェクト

サイエンス研究会生物班が「「ゆめちから」栽培研究プログラム」第八期 課題研究校「「ゆめちから」栽培研究プログラム」第八期課題研究校に指定されました。10月26日に研究を支援していただく 株式会社Pasco, 株式会社リバネスの方が来校され、種まきの指導や小麦の育て方に関する講義を行ってくださいました。


②サイエンスキャッスルへの参加と研究資材の獲得(THK賞)

サイエンス研究会物理班の望月君が、自身の研究内容をプレゼンし、THK株式会社と株式会社リバネスが支援する「サイエンスキャッスル研究費 THK賞」に採択されました。支援として研究費及び特注のLMガイドを提供していただきました。開発した超音波発振装置をLMガイドに装着し、広範囲を稼働できる仕組みを提案しました。なお、定期的に2社の技術者の方と電話面談を行ったり、12月に開催されたサイエンスキャッスル成果発表会にて研究成果を報告し、他校の生徒さんとの情報共有を行いました。

 

③企業の技術者・開発者との情報交換(ヤマハ株式会社)

サイエンス研究会で電子管楽器の作成に取り組んでいる黒川くんが、静岡県のヤマハ株式会社を訪問し、技術者の方に自身の研究内容を発表し、情報交換を行いました。ヤマハの技術者の方からは取り組んでおられる開発内容について情報提供をいただきました。

 

■ 他校との共創

本校では、SSH交流会支援枠や課題研究成果発表会等を活用して他校との協働事業を実施し、情報交換を行うとともに、本校SSHの研究開発の成果を共有する活動を行なっています。

①多分野融合型課題解決ワークショップ(ベースキャンプ)

本年度はSSH交流会支援枠に採択され、「IoTを用いた生物・化学分野での課題解決」をテーマとして本校と株式会社ソニーセミコンダクタソリューションズが協働で企画したワークショップを6校の中高生を交えて行いました。このワークショップは、本校が第3期SSHで開発した多分野融合型の課題設定の手法を生かして行われています。生徒の作品の一部は9/25、9/26に大阪で開催された「第1回関西STEAM教育EXPO」にて展示され、広くその成果が普及されています。また、参加者のアンケート結果より、本ワークショップの狙いが達成され、高い満足度を得ていることがわかりました。
【ベースキャンプの概要とアンケート結果】

 

②課題研究成果発表会「集まれ!理系女子 関西大会」

課題研究の発表の場として、女子生徒を中心とした課題研究の発表会「集まれ!理系女子 関西大会」を奈良女子大学にて開催しています。今年度は関西圏を中心とする17校の中高生の皆さんにご参加いただき、ポスター形式での研究内容の発表会や、大学の先生方を交えた情報交換会を実施しました。
【集まれ!理系女子 発表内容一覧(2019)】

 

③化学班の国際交流

化学班の大山さん、高井さんが立命館中学校・高等学校のSSH科学技術人材育成重点枠のタイ共同研究研修に参加し、8月に現地のチトラダスクールを訪問しました。現地では研究所の施設を使って実験を行ったり、現地の研究者の方からアドバイスをもらいながら英語でのディスカッションを行いました。帰国後も現地の学校と連携を取りながら、継続的な国際共同研究を実施しています。

研究テーマ:お茶の葉(日本)、グァバの葉(タイ)を使った水溶液中の金属イオンの除去

【外部リンク】
立命館中学・高等学校 タイ共同研究研修のHP