リベラルアーツの育成

本校では教科の枠組みを超えた授業や教材開発およびカリキュラム研究に取り組んでいます。
これにより、生徒の自然科学に対する専門性を深めると同時に、多角的な視点や考え方を育て、真の科学的な思考力を備えた人材の育成を目指しています。

①学校設定科目「コロキウム」

文理の枠組みにとらわれない様々なテーマの講座を開講し、少人数による討論型の授業を展開します。社会的諸問題や事象・現象について、多角的な視点からアプローチを試み、分野の横断的な考え方を身につけます。本校教員が中心となり指導を行いますが、適宜、大学教員・大学院生・企業・研究者の協力を得ることで、充実した活動ができるよう支援しています。

開講講座の例

「デザインプロセス・コミュニケーション」
「人生幸福論」
「震災の記憶を表現する」
「科学を通した人間理解」
「学校と教科と時代を超えるプロジェクト 」
「『コロナの時代』と地域社会」
「文化人類学的な視点から問いを立てる」
「住まいとくらしを SDGs の視点から考える」

産学連携でつくる価値共創型の学び

第4期SSHでは大和ハウス工業株式会社、DMG 森精機株式会社と連携し、多角的視点に基づいた探究活動を協働で企画・運営しています。また、本プログラムを地域の学校へと展開していくことで、科学技術イノベーターを育成する「共創」の場を創出しています。

年度 内容 参加生徒 大学生の受け入れ
2021 大和ハウスとの協働授業 本校 22名 なし
2022 大和ハウス・奈良教育大学SDGsセンターとの協働授業 本校 11名 なし
2023 DMG森精機・大和ハウスとの協働授業 本校 27名
公立高校 1名
奈良教育大学
学生 8名
2024 DMG森精機・大和ハウス・奈良教育大学SDGsセンターとの協働授業 本校 15名
公立高校 1名
私立高校 14名
奈良教育大学
学生 5名
院生 3名

 

②理数融合授業「サイエンス・イシューズ」

本校では「共創力」の育成を目指し、「サイエンス・イシューズ」と称した4, 5年生 (高校 1, 2 年)を中心とした理科・数学科融合授業カリキュラムを開発しています。融合授業においては、各教科・科目で培った知識や考え方を横断した課題への取り組みを 意識的に行うことによる課題に対する理解の深まりや、複合的な視点の獲得を目指しています。なお、 授業における取り組みに加え、理科・数学科と情報科の融合授業として、サイエンス研究会の生徒を中心としたプログラミング講座の開発も行っています。

理科・数学融合授業のアンケート結果と評価

理科・数学融合授業の成果と課題を分析するために、実施した授業について事後アンケート及び授業者による振り返りを行った。以下に分析結果の例(2018年度10,11月実施分)を示す。

【融合授業の分析結果はこちら】

授業での取り組み

1年 理科(生物分野)と数学 「葉の大きさと環境の関係性の統計的分析」 2015年開発
2年 理科(化学分野)と数学 「結晶の形と多面体としての性質」 2015年開発
3年 理科(地学分野)と数学 「測定史における数学的手法」 2018年開発
4年 生物基礎と数学 「細胞の大きさと核の大きさの統計的比較」 2016年開発
4年 生物基礎と数学 「ゾウリムシの個体群における密度効果の数学的解析」 2015年開発
4年 物理基礎と数学 「重力下における落体の運動と2次関数」2018年開発
5年 化学と数学 「結合角に関する幾何学的な学習」 2015年開発
5年 物理と数学 「光の屈折とフェルマーの原理」 2016年開発
5年 化学と数学 「原子の電子構造と立体図形」 2017年開発
5年 物理と数学 「超音波を用いたうなりの現象と三角関数」 2018年開発

プログラミング講座の取り組み

物理・数学・情報 フラクラル図形,万有引力のシミュレーション 2015年開発
物理・美術・情報 Processingによるアニメーションの作成 2016年開発
物理・生物・情報 Node-redを用いたセンサーの制御(外部講師と共催)2017年開発
物理・数学・情報 Java Scriptを用いたobnizの操作(外部講師と共催)2018年開発